大動脈弁置換術が適応される疾患
大動脈弁置換術は、重度の大動脈弁疾患を持つ患者に推奨されます。これには主に以下の二つのカテゴリがあります。
- 重度の大動脈弁狭窄症
- 重度の大動脈弁逆流
重度の大動脈弁狭窄症
大動脈弁狭窄症は、大動脈弁が狭窄し、心臓からの血液の流れが妨げられる状態です。この疾患は進行性であり、治療されない場合、心臓の負担が増大し、最終的には心不全を引き起こす可能性があります。
症状
重度の大動脈弁狭窄症の患者は、以下の症状を経験することが一般的です:
胸痛
運動時やストレス時に胸部に痛みを感じることがあります。
息切れ
最初は運動時にのみ呼吸困難を感じることが多いですが、病状が進行すると安静時にも息切れを経験するようになります。
めまいや失神
血流が制限されることにより、激しい運動や急な立ち上がり時に失神感やめまいを感じることがあります。
無症候性患者
一部の患者は、重度の大動脈弁狭窄症であっても明確な症状を示さないことがあります。しかし、心臓の機能に関する特定の検査結果(例:左室の肥大や機能低下)が示すリスクが高い場合、手術が推奨されることがあります。
重度の大動脈弁逆流
大動脈弁逆流は、大動脈弁が閉じる際に不完全であるため、血液が大動脈から心臓の左室に逆流する状態を指します。この病状は心臓に追加の負担をかけ、長期にわたる未治療では心臓の機能低下を引き起こします。
心機能の低下
左室の機能低下
大動脈弁逆流が原因で左室の機能が低下している患者は、大動脈弁の置換が必要になることがあります。
心拡大
左室の拡大
大動脈弁逆流が原因で心臓の左室が拡大している場合、心臓が血液を効率的にポンプできていないことを示しています。この状態の患者も大動脈弁の置換が必要になることがあります。
開心手術による大動脈弁置換(AVR)
開心手術による大動脈弁置換は、重度の大動脈弁疾患を有する患者に対して長年にわたり標準的な治療選択肢として提供されてきました。この手術法は、心臓を直接露出させ、損傷した弁を取り除き、人工弁に置き換えることによって、心臓の機能を改善します。以下に、手術の詳細な手順、弁の種類の選択、および手術プロセスの概要を含む、より具体的な記事を提供します。
開心手術による大動脈弁置換(AVR)の手術手順
胸骨正中切開のプロセス
- 手順の開始: 患者は全身麻酔下に置かれ、手術領域は無菌状態に保たれます。
- 切開: 胸骨の正中線に沿って皮膚が切開され、次いで胸骨自体が特殊な手術器具を用いて縦に切開されます。
- 心臓へのアクセス: 胸骨を開いた後、心臓と大動脈弁に対して直接視野が得られます。これにより、損傷した大動脈弁の正確な評価と置換が可能になります。
開心手術による大動脈弁置換(AVR)の利点
- 広範な視野: 外科医は心臓の構造を明確に観察し、精密な手術を行うことができます。
- 直接アクセス: 心臓と大動脈弁に直接アクセスできるため、手術の正確性が向上します。
- 汎用性: このアプローチは、大動脈弁置換術を含む多くの心臓手術で採用されており、その有効性が長年にわたって証明されています。
実施における考慮事項
- 回復期間: 胸骨正中切開は大きな手術傷を伴うため、回復には時間がかかります。特に胸骨の治癒には数週間から数ヶ月を要する場合があります。
- 疼痛管理: 手術後の疼痛管理が重要です。適切な疼痛管理プランにより、患者の快適性を向上させ、回復を促進します。
- 合併症のリスク: 任意の手術と同様に、感染症や出血などのリスクが伴いますが、適切な術前準備と術後ケアによりこれらのリスクを最小限に抑えることができます。
開心手術による大動脈弁形成術(AVP)
大動脈弁形成術の手術手順
胸骨正中切開のプロセス
大動脈弁形成術(AVP)は、心臓の大動脈弁の機能不全や病変を治療するための手術です。この手術では、胸骨正中切開という方法が一般的に採用されます。このプロセスは以下のステップで構成されます。
患者は全身麻酔下に置かれます。
- 胸の中央に位置する胸骨を縦方向に切開します。
- 心臓にアクセスするために胸腔を開きます。
切開の利点
胸骨正中切開には、以下のような利点があります。
- 心臓への直接的なアクセスが可能になり、手術中の視界が良好です。
- 必要に応じて、他の心臓手術と組み合わせることが容易です。
- 多くの心臓外科医が熟練しているため、標準化された手順です。
実施における考慮事項
胸骨正中切開を行う際には、以下のような点を考慮する必要があります。
- 切開後の合併症リスク、特に感染症や胸骨の不適合合併症。
- 回復期間が長くなる可能性があり、患者の生活に大きな影響を与えること。
手術後の痛み管理と再癒合プロセス。
経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)による大動脈弁置換
経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)は、大動脈弁狭窄症の患者に対する革新的な治療法であり、特に従来の開心手術が高リスクとされる患者に適用されます。この手術法は、大動脈弁の病変を治療するために、最小限の侵襲で人工弁を心臓に挿入します。
経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)
経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)は複数の段階に分けて実施されます。患者の状態や具体的な症状に応じて、麻酔方法やアクセス経路が選択されます。
経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)の手順
全身麻酔または局所麻酔
- 全身麻酔: 患者が意識を失い、手術中の不快感を感じないようにします。全身状態の監視が必要です。
- 局所麻酔: 患者は意識がありますが、手術領域は麻酔され、痛みを感じません。局所麻酔の場合は、通常、鎮静剤も併用されます。
アクセス経路の確立
- 大腿動脈アクセス: 最も一般的なアクセス方法で、大腿動脈を通じてカテーテルが挿入されます。
- 代替経路: 必要に応じて、上腕動脈や直接大動脈へのアクセスが選択されることもあります。これは、患者の解剖学的特徴や以前の手術歴に基づいて決定されます。
バルーン拡張
- 目的: 狭窄した大動脈弁を拡張し、新しい弁の配置に備えます。
- プロセス: バルーンが狭窄部位に位置づけられ、膨張させて大動脈弁を拡張します。このステップは、新しい弁の挿入前または挿入時に実施されることがあります。
弁の挿入と配置
- 人工弁の選択: 使用される人工弁は、患者の大動脈弁のサイズや形状に合わせて選ばれます。
- 挿入プロセス: 折りたたまれた人工弁がカテーテルを通じて心臓に運ばれ、正確な位置に展開されます。カテーテルは、バルーンの助けを借りてまたは自己展開型の弁を使用して、新しい弁を配置します。
- 展開: 弁が所定の位置に正確に配置された後、カテーテルが引き抜かれ、新しい弁が機能を開始します。
経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)の利点
経カテーテル大動脈弁置換術は、従来の開心手術に比べて多くの利点を提供します。これらの利点は、患者の回復時間の短縮、手術リスクの低減、および全体的な治療の効果性の向上に寄与します。
最小侵襲性
- 短い回復期間: TAVRは最小侵襲性であるため、患者は従来の開心手術に比べて回復が速いです。これにより、患者は手術後早期に日常生活に復帰できます。
- 低い合併症リスク: 最小侵襲性の手術は、感染症や手術後の合併症のリスクを低減します。
広範な患者層への適用
- 高リスク患者への治療選択肢: 高齢者や他の健康上の問題を有する患者でも、TAVRにより安全に治療を受けることができます。
- 手術選択の柔軟性: 患者やその健康状態によっては、TAVRが開心手術に代わる優れた選択肢となり得ます。
良好な臨床成績
- 効果的な治療: TAVRは重度の大動脈弁狭窄症の患者に対して高い成功率を示しています。多くの研究で、TAVR後の患者の生活の質が改善したことが報告されています。
- 長期的な成績: 初期の研究成果は、TAVRが長期にわたる有効な治療法である可能性を示唆しています。
経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)と 開心手術の比較
経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)と開心手術(AVR)は、大動脈弁疾患の治療において重要な手術方法です。これら二つの手術法の主要な違いを表にまとめて、それぞれの侵襲性、適応、および長期成績について比較します。
特徴 | 経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR) | 開心手術 (AVR) |
侵襲性 | 低侵襲性。大腿動脈を通じてカテーテルを挿入するため、回復時間が短くなる。 | 高侵襲性。胸骨を開いて手術を行うため、回復に時間がかかる。 |
適応 | 高リスクまたは手術が不可能な患者に適している。高齢者や他の健康問題がある患者に推奨されることが多い。 | より広範な患者に適用可能。健康状態が良好で、手術リスクが低い患者に推奨される。 |
実績 | 比較的新しい治療法であり、長期的な成績に関するデータは限定的。しかし、初期の成績は有望。 | 長期データが豊富にあり、効果と安全性が広く認められている。 |
弁の選択 機械弁と生体弁の比較
機械弁
耐久性
- 特徴: 機械弁は高品質の素材で作られており、その耐久性により生涯にわたって機能することが期待されます。
- 利点: 再手術の必要性がほとんどないため、特に若年層の患者に推奨されることがあります。
抗凝固療法が必要
- 特徴: 機械弁を有する患者は、血栓形成のリスクを減少させるために、生涯にわたって抗凝固薬を服用する必要があります。
- 欠点: 定期的な血液検査が必要であり、出血リスクが増加します。
音
- 特徴: 機械弁は動作時に特有のクリック音を発します。
- 考慮事項: この音が一部の患者にとって気になる可能性がありますが、多くの場合は時間と共に慣れることが報告されています。
生体弁
耐久性
- 特徴: 生体弁の耐久性は機械弁に比べて劣り、特に若い患者では将来的に弁の交換が必要になる可能性があります。
- 欠点: 再手術のリスクがあるため、患者の年齢や健康状態を考慮して選択する必要があります。
抗凝固療法の必要性が低い
- 特徴: 生体弁、特に異種弁は、機械弁に比べて抗凝固療法の必要性が低いか全く必要ない場合があります。
- 利点: 出血リスクが低く、日常生活における制限が少ないため、特に高齢の患者や出血リスクが高い患者に適しています。
音
- 特徴: 生体弁は、機械弁と比較してほとんど音がしません。
- 利点: 日常生活において弁の存在を意識することが少なくなります。
表: 機械弁と生体弁の比較
特徴 | 機械弁 | 生体弁 |
耐久性 | 非常に高い | 中程度〜高い(年齢による) |
抗凝固療法 | 必須(生涯) | 必要ない、または期間が短い |
再手術の可能性 | 低い | 高い(特に若い患者で) |
音 | クリック音がする | ほとんど音がしない |
弁の選択における考慮事項
- 年齢: 若い患者では耐久性の高い機械弁が好まれることがありますが、再手術のリスクを避けたい高齢者では生体弁が選択されることが多いです。
- 生活様式: 抗凝固療法による制限が生活様式に合わない患者は、生体弁を選択することがあります。
- 医療状態: 特定の医療条件や薬剤の使用は、弁の選択に影響を与えることがあります。
手術前の評価と準備
手術前の評価と準備は、患者が手術を受ける上で最適な状態にあることを確認し、手術中及び手術後の合併症のリスクを最小限に抑えるために不可欠です。
術前評価
医学的評価
- 全身状態の評価: 患者の全身状態を評価し、手術に対するリスクを特定します。これには、心臓病以外の既往症や合併症の有無も含まれます。
- 心臓機能の詳細な評価: 心エコー検査、心臓カテーテル検査、およびその他の画像診断を通じて、大動脈弁の状態と心臓の機能を詳細に評価します。
血液検査
基本的な血液検査: 血液型、凝固機能、および全身状態を把握するための検査を行います。
特定の検査: 必要に応じて、腎機能や肝機能の評価、感染症のスクリーニングなど、特定の血液検査が行われます。
手術前の準備
全身麻酔
麻酔科医との面談: 手術前に麻酔科医と面談し、麻酔計画について話し合います。この時、患者の麻酔に関する過去の経験や特定のリスクが評価されます。
人工心肺装置の準備
- 人工心肺装置の説明: 患者に人工心肺装置の役割と、手術中にそれがどのように使用されるかについて説明します。
- 人工心肺装置に関する同意: 人工心肺装置を使用することのリスクと利点について患者に説明し、同意を得ます。
術前指導
手術に向けた準備
- 食事と薬の管理: 手術前夜からは絶食となり、手術当日の朝には特定の薬の摂取が制限される場合があります。
- 術前教育: 手術の流れ、術後の回復プロセス、術後のケアに関する指導を行います。
術後管理
手術直後の患者は、心拍数、血圧、および呼吸状態を定期的にモニタリングすることで、安定した循環状態にあるか確認します。
これらのバイタルサインの変動は、合併症の早期警告信号となることがあります。
切開部位の感染予防とケア
術後直後のケアは、患者の生命を維持し、手術によるストレスからの回復を支援するための重要なステップです。
重要な観察ポイント
心拍数、血圧、呼吸状態のモニタリング
手術直後の患者は、心拍数、血圧、および呼吸状態を定期的にモニタリングすることで、安定した循環状態にあるか確認します。
これらのバイタルサインの変動は、合併症の早期警告信号となることがあります。
切開部位の感染予防とケア
手術後の切開部位は、感染を防ぐために清潔に保つ必要があります。
感染の兆候(赤み、腫れ、熱感、分泌物の増加など)を定期的にチェックし、発見した場合は迅速に治療を開始します。
疼痛管理
手術後の疼痛は、適切な疼痛管理プランにより管理されます。これには、薬物療法や非薬物療法が含まれることがあります。
疼痛の適切な管理は、患者の快適性を高めるだけでなく、回復プロセスを促進します。
早期の活動再開
患者は、できるだけ早く安全な範囲で活動を再開することが奨励されます。これには、ベッドサイドでの簡単な運動や、医療スタッフの監督の下での歩行が含まれます。
早期の活動は、深部静脈血栓(DVT)の予防、呼吸機能の改善、および筋力の維持に役立ちます。
抗凝固療法の管理
管理のポイント
抗凝固療法の成功は、定期的なモニタリングと適切な用量調整に依存しています。機械弁を持つ患者における抗凝固療法の管理には、以下の主要な側面が含まれます。
INR値の定期的な監視
- プロトロンビン時間 国際正常化比(INR)は、血液が固まるのにどれだけ時間がかかるかを測定するテストで、抗凝固療法の効果を監視するために使用されます。
- 機械弁を持つ患者においては、INR値を特定の治療範囲内に維持することが極めて重要です。この範囲は通常、患者の状態や使用している特定の弁のタイプによって異なります。
- 定期的な血液検査によりINR値をモニタリングし、必要に応じて抗凝固薬の用量を調整します。
抗凝固薬の用量調整
- 抗凝固薬(ワルファリンなど)の用量は、INR値に基づいて個別に調整されます。
- 食事(特にビタミンKの摂取量)、他の薬剤、および患者の全体的な健康状態は、抗凝固薬の効果に影響を与える可能性があるため、これらの要因を考慮して用量を調整します。
出血リスクとのバランス
- 抗凝固療法は出血リスクを増加させる可能性があるため、治療の利益とリスクを慎重にバランスさせる必要があります。
- 出血の兆候や症状(異常な出血、血尿、黒い便など)に注意し、これらが発生した場合は直ちに医療提供者に連絡します。
- 患者は、手術や歯科処置など、出血リスクを高める可能性のある状況について、医療提供者に事前に通知する必要があります。
合併症とその管理
大動脈弁置換術後の合併症は、患者の回復と長期的な健康に大きな影響を与える可能性があります。これらの合併症を理解し、適切に管理することは、手術後のケアプロセスにおいて非常に重要です。
早期の合併症
早期の合併症は、手術直後から数日間の間に発生する可能性があります。
- 出血: 手術中または手術後の出血は、最も一般的な合併症の一つです。適切な監視と、必要に応じて追加の手術や輸血により管理されます。
- 感染症: 手術部位や呼吸器系の感染は、早期に発生するリスクがあります。抗生物質の予防投与や、感染の兆候に対する迅速な対応が重要です。
- 心筋梗塞: 手術中の心臓へのストレスが原因で発生することがあります。心臓の監視と、必要に応じて薬物療法により管理されます。
- 脳卒中: 術中に血栓ができることが原因で発生する可能性があります。適切な抗凝固療法と、早期リハビリテーションにより対応します。
長期的な合併症
長期的な合併症は、手術後数週間から数年の間に発生する可能性があります。
- 人工弁の問題: 人工弁の機能不全や漏れが発生することがあります。定期的なフォローアップと、必要に応じて再手術により管理されます。
- 心内膜炎: 人工弁を持つ患者は心内膜炎のリスクが高くなります。抗生物質による予防治療や、早期発見により対応します。
- 心房細動: 手術後に新たに心房細動が発生することがあります。適切な薬物療法や、場合によってはカテーテルアブレーションにより管理されます。
合併症の予防と対策
合併症の予防と対策は、手術後のケアの中心的な部分です。
- 適切な術前評価: 合併症のリスクを減らすために、術前に患者の健康状態を詳細に評価します。
- 術後の密接なモニタリング: 早期の合併症を迅速に発見し、対処するためには、術後の患者の状態を密接に監視することが重要です。
- リハビリテーション: 体力の回復と合併症のリスクを減らすために、適切なリハビリテーションプログラムが推奨されます。
- 健康的な生活習慣: 喫煙の禁止、バランスの取れた食事、定期的な運動などの健康的な生活習慣が、長期的な合併症のリスクを減らすのに役立ちます。
入院~退院後の流れと、リハビリについて
心臓手術を受ける患者の入院から退院後に至るまでのプロセスと、心臓リハビリテーションについては以下のリンクをご参照ください。
入院中のケアから、退院後の生活への適応、そして心臓リハビリテーションを通じての健康回復と生活質の向上に至るまで、ご紹介しています。
よくある質問
こちらのコラムの内容の要点を「よくある質問」からまとめています。
大動脈弁置換術とは何ですか?
大動脈弁置換術(AVR)は、重度の大動脈弁狭窄症や重度の大動脈弁逆流を持つ患者に対して、損傷した大動脈弁を人工弁に置き換える手術です。
経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)とは何ですか?
経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)は、従来の開心手術が難しい高リスクの患者に対して、最小侵襲で大動脈弁を置換する治療法です。
大動脈弁形成術(AVP)とは何ですか?
大動脈弁形成術(AVP)は、大動脈弁の機能を改善するために行われる手術で、主に大動脈弁が正常に閉じない場合に適用されます。
大動脈弁置換術が適応される疾患は何ですか?
重度の大動脈弁狭窄症や重度の大動脈弁逆流が、大動脈弁置換術の主な適応疾患です。
手術前の評価と準備には何が含まれますか?
手術前の評価には、全身状態の評価、心機能の詳細な評価、血液検査が含まれます。準備には、麻酔計画の確認や人工心肺装置の説明が含まれます。
開心手術による大動脈弁置換(AVR)の利点は何ですか?
開心手術による大動脈弁置換の利点には、広範な視野での精密な手術、心臓と大動脈弁への直接アクセスが可能であることが挙げられます。
TAVRの手術手順にはどのようなステップがありますか?
TAVRの手術手順には、全身麻酔または局所麻酔、アクセス経路の確立、バルーン拡張、弁の挿入と配置などが含まれます。
機械弁と生体弁の違いは何ですか?
機械弁は耐久性が高く生涯持続する可能性がありますが、抗凝固療法が必須です。生体弁は抗凝固療法の必要性が低いか全く必要ないが、耐久性が劣り再手術が必要になる可能性があります。
術後管理にはどのようなことが含まれますか?
術後管理には、バイタルサインのモニタリング、切開部位の感染予防、疼痛管理、早期の活動再開、抗凝固療法の管理などが含まれます。
大動脈弁置換術後の合併症とその管理は?
大動脈弁置換術後の合併症には、出血、感染症、心筋梗塞、脳卒中などがあります。これらは適切な監視と早期対応により管理されます。長期的な合併症には人工弁の問題や心内膜炎があり、定期的なフォローアップと予防措置が必要です。
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【参考文献】
・一般社団法人 日本循環器学会
弁膜症治療のガイドライン
https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/04/JCS2020_Izumi_Eishi.pdf
心疾患情報執筆者
竹口 昌志
看護師
プロフィール
看護師歴:11年
《主な業務歴》
・心臓血管センター業務
(循環器内科・心臓血管外科病棟)
・救命救急センター業務
(ER、血管造影室[心血管カテーテル、脳血管カテーテル]
内視鏡室、CT・MRI・TV室など)
・手術室業務
・新型コロナウイルス関連業務
(PCR検査センター、コロナ救急外来、HCU、コロナ病棟、
コロナ療養型ホテル、コールセンター)